何もできなくなって久しい
事態がはっきりしてくるまで　その時まではと
耐えながら
すっかり搾り上げられ　打ちのめされ
みずから選んで分け入った道に行き交う運命を
ただ茫然と見つめながら

　今　同じ渦中にいる
　おまえと俺
　だが誰も俺たちを止められはしない
　何とかしてやり遂げるんだ
　世界が真っ二つに割れ
　地割れの先端が俺の足元へ
　もう一方がおまえの足元へ達しようとも

奴らが皮膚をひっぺがす音で目が覚めた
つまみ上げ　引っ張り上げ
中に指を押し込もうとしている
奴らは俺たちの見つけたものを消さずにはおれない
奴らは恐れ　恐れさせるものを憎まずにはおれない
奴らはそれを追放し　抹殺せずにはおれない
──俺が倒れる場所には　おまえがいる
得るのと同じだけ失いながらも　俺はおまえを見いだす
この世で受けたどの傷よりも深く　おまえの中に入り込み
俺はとこしえにおまえの一部だから

　今　同じ渦中にいる
　おまえと俺
　誰も俺たちを止められはしない
　何としてもやり遂げるんだ
　世界が真っ二つに割れ
　地割れの先端が俺の足元へ
　もう一方がおまえの足元へ達しようとも

あらゆる“じぶんらしさ”が奪われたとしても　耐え抜くんだ
俺たちを俺たちたらしめていたものが奪われても　耐え抜くんだ
希望がすべて失われても　耐え抜くんだ
俺たちの元の姿が溶け去っても　俺たちは耐え抜ける！──

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今　同じ渦中にいる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おまえと俺
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　誰も俺たちを止められはしない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何とかしてやり遂げるんだ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　嵐をくぐり抜けた後でさえ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　おまえは女王で　俺は王
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それ以外は意味のないことさ