|
彼女は輝く
醜悪に満ちた この世の中で
彼女は「事」である
何もかも無意味である この世の中で
こわれもの
彼女はおのれの美しさを見ない
むしろそこから離れようとする
時として俺は
この世に守る価値のあるものなどない と思いつつ
彼女が息絶えるのを見ることだけは忍びない
貴方を打ち砕かせはしない
通り過ぎるすべての人の心を 彼女は読む
誰かがそれに気づき ふり向くことを願いながら
もし僕が こわれた自分自身を修復して、そうして──
いや 僕はもう手遅れなんだ
貴方を打ち砕かせはしない
…俺たち皆が逃げ込むことのできる
完璧な避難場所が見つかると思うんだ
俺はその周りに壁を築いて
追っ手を壁の向こうに食い止めてみせる
だが奴らは 機をうかがっている・・・
そして一人 また一人 つまみ上げ・・・・
俺がやらなきゃならないんだ
俺もかつてそこにいたんだ
ほかの何より大事なことだ
貴方を打ち砕かせはしない
貴方を打ち砕かせはしない
(僕も貴方のようだったんだ)
貴方を打ち砕かせはしない
(僕も貴方のようだったんだ──)
|