Lateralus






幼年期 俺には黒と白しか見えなかった
赤と黄があとからやって来て 俺に手を差し伸べた
もっとよく見るようにと
下方を 上方を その先までも俺は想像するが
理性の描線で描かれたものが見えるに過ぎない
許容範囲を広げて 成り行きを見守ろう

思考過多 分析過多は心と体を分離する
衰えた直観 失われた機会
描線を超えて描かれるものを直覚するために
意志の力を養わなければならない

幼年期 俺には黒と白しか見えなかった
赤と黄があとからやって来て 手を差し伸べた
もっとよく見るようにと
世界はこれだけじゃない
無限の可能性をのぞき見るように 俺を手招きする
下方を 上方を その先までも俺は想像する
理性の描線で描かれたものを超えて
許容範囲を広げて 成り行きを見守ろう

思考過多 分析過多は心と体を分離する
直観が衰えれば 背後にある機会を見過ごしてしまう
境界を飛び越えるよう促す何かの力
それを直覚するための意志を鍛えねばならない
手を伸ばし 偶然を抱きしめろ
手を伸ばし やってくるものを抱きしめろ

俺は欲望を抱きしめる
俺の欲望を抱きしめる──
俺は律動を感じたい あるいは
気持ちを通じ合わせていたい わき道にそれることも
未亡人のようにすすり泣くことも許されるほど充分に
俺は奮い立ちつつ 力とは何か 見抜きたい そしてまた
泉で沐浴する美女を目撃したい そしてまた
らせんにぶら下がりたい
われらが神なるらせんに そしてなお
人間でありたい──



大地を踏みしめるこの足で 俺は音の中を移動する
俺は全身で音を吸収する 皮膚をすり抜けて動く音を感じる
体を伸ばし手を伸ばす 偶然の何かに向かって
俺をまごつかせる何かをすら覚悟して
おのれの意志と大地を吹く風に従い
誰も行ったことのないところへ向かっているのかも知れない
らせんを終わりまで伝いきって
俺たちは誰も行ったことのないところへ行くのかも知れない
らせんを飛び出せ 前進だ
らせんを飛び出せ このまま行こう!








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