scene 5 The Court of the Crimson King
including   The Return of the Firewitch
       and      The Dance of the Puppets




月の牢獄のさびついた鎖は 太陽の光を浴びて砕け散る
私の歩むごと地平線は変わり 御前試合の始まりを知った
紫の楽士が笛を吹き 聖歌隊はおだやかに唱和する
 いにしえより伝わる三稜鏡の子守唄を 
 深紅王の宮殿に奉じるために.


城門の番人が 夢をよろい戸の向こうに閉じ込めたので
私はさしたるあてもなく 巡礼門の外で待つことにする
喪服の女王は葬送の行進に詠唱をたむけ
ひび割れた真鍮の鐘がひとつ またひとつと鳴れば
 深紅王の宮殿には 炎の魔女が召還される.


宮廷庭師は 花を踏んづけているのも意に介さず常緑樹を植える
私は人の世の苦楽を味わうために プリズムの航跡をたどる
曲芸師の合図で オーケストラの演奏開始 すると
 深紅王の宮殿で 
 砥ぎ石車がゆっくりと回りだす.


…ひそやかな灰色の朝、寡婦達はさめざめと泣き 賢人達は冗談に興じる
私もいたずら心を満たすために 神事の徴しを求めて走り回る
黄色い道化師は自らは演じず ただそっと糸を引いて忍び笑う
 深紅王の宮殿で 
 あやつり人形が踊りだす.






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