憎しみを目に灯した人々をごらんよ
あれは見せかけの姿だとしか思えない
人の心の奥底には
本人も気づかないくらい　たくさんのものがある

たぶん彼らは恐れてる
自分の内側をさらけ出すことを
自分が何を考えているか
知られるのが怖いんだ
だから重苦しい態度をよそおい
誰ともうまくいかないことを願う
彼らは重苦しさで箔をつける
それは偽りの重苦しさに過ぎない
わかるだろう？─　彼らは怖いだけ
ほんのわずかの感情を
わずかの本物の感情をさらけ出すのが
そのせいで正体を暴かれてしまうことが

素っ裸で踊ってる踊り子をごらんよ
彼女は金次第でいくらでも体をまかせる
何でもあけっぴろげに見せてくれる
ある一つのことを除いて
彼女は決して見せはしない
ほんのわずかの本物の感情を
ひとかけらの真実の感情を
そのわずかなもののために
本当の彼女が暴かれてしまわないように
こんな猿芝居は恥というべきだが
彼女は毎日何とかやりぬいている
唯一の方法を　つまり
わずかの感情さえ見せないこと
ひとかけらの真実の感情さえ
そのわずかなもののために
彼女の真実が暴かれないために

　人はおのれの台詞をおぼえ
　おのれの役柄を演じきる
　キューの合図でしゃべり出す
　でもそこに本心はない
　すべては表面のこと
　すべてはたくらまれたこと
誰もが恐れてる　こうでもして生き延びなきゃならないと
　白状することを─

微笑みを顔に浮かべた狂人をごらんよ
彼には恥も外聞もない
まるで地球の外からやって来たような目つきをして
自分の考えていることくらい　たぶん彼にはわかってる
彼には言うべきことがちゃんとある
でもそれをうまく言葉にできない
言うことが要領を得ないから　みんなは彼を意識から締め出す
ほんのわずかの感情を
わずかの本物の感情を
目にすることが恐ろしい
だからその場を後にする
ほんのわずかの感情を
わずかの本物の感情を
目の当たりにする勇気がない
だからその場を後にする