すみません。先生、あの、お時間はありませんか？

時間？どうかしたの？

手に余る状況なんです。３号棟の男性なんですが。

どんな問題？

それがまさに問題なんです。はっきりしなくて・・・。

カルテを持ってる？

これです。

ふむ・・・・これじゃ不十分だねえ。

ええ、先生。
でも明らかな身体的外傷はありません。体調は安定しています。

で、名前は？

わからないんです。

誰かが預けていったのかな？そのあたりも聞いてみないと。
このファイルにある情報のバックグラウンドを知りたいからね。

だめなんです、手がかりは何も。彼は誰とも話そうとしません。

まあ、それじゃとにかく会ってみよう。・・・・

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おはよう。
私はドクター・ローソン。具合はどう？

（具 合 は ど う ・・・・？）

私を見て。
いいですか。あなたは安全な場所にいる。
私たちはできることは何でも、あなたにしてあげたいんです。
それにはまずあなたが話してくれないと。でないと、してあげたくてもできないんですよ。
さあ、話してください。一体何があったんです？

わかった・・・・それじゃ・・・・理解してみてくれ・・・・
　この話を・・・・

あのチリドッグの包みを開く時間だ・クリスピー・クリームを一箱食おう・われわれはエリア５１の大気汚染物質の正体をつかんでいた・われわれのことを「単に中傷しているだけ」だと考えている大衆についての大いなる真実について熟考を重ねているとき・燃え盛る腐ったバナナのような物体がこんな場所で見えるはずのない空を分断し・コード・レッドを私がダイヤモンド陳列棚に置いた我々のなかに私のバーキンストックの真上に開いたために・なんてこった！なんてこった！ああ！畜生！畜生！

Ｘ-ファイルを開いてみるがいい・ある種の青い妖怪みたいな生命体のことが・・・イザベラ・ロッセリーニの唇と口から漏れるバニラの香りで・バババババナナが血管に流れ込んで誰かが俺の目玉の裏側をうろついてるんだ・俺の開いたあごに・汗臭いロン・ハバードの上唇だ・俺が思ったことはただひたすら、ああマーティン叔父さんがここに来たら気づかれちゃうパンツに小便漏らしたことを！ばか野郎！ばか野郎！

下水道が待っている
そこに俺を絶叫させたあの幽霊がいる
ちくしょう！変態！生ごみ頭の化学反応！
どブスの売春婦なんて知らねえよ！窒息なんかしないさ！
俺がしくじったらどうなるか見ていろ！

それから──
オレンジのスライス少々とロマンチックな抱擁で私を落ち着かせたあと
彼はほかに類のない　ある目的を明かした。
彼は言った、君は選ばれし者だと。メッセージを運ぶ者だと。
そのメッセージはそれを聞こうとする者にとっての福音である。
聞こうとしない者にとっては警告である。
私は選ばれた者・・・・彼らは私を選んだ・・・・
俺はクソいまいましいハイスクールを卒業しなかったんだよ！

あんた　なあ、あんた
ちゃんと聞いたほうがいい　この話を

彼は私の全身をくまなく見た
眠気を誘うアーモンド色の瞳で
それが何を意味するかわからなくても
書き留めておくんだ、思い出さなきゃ

とてもリアルなんだ
彼は浮遊しながら去って行った
この胸の鼓動を確かめてみてくれ
こんなことは今までなかったんだから

イキガデキナイナントカシテクレ！

とてもリアルだったんだ
おとぎの国で目を覚ましたかのように
同時にいくぶん怖くもあった
私がこの話をする時は　どうか一人にしないでほしい
理由なんて誰にわかる？
そもそも私は元に戻るのか？

ああ、これは現実だ
私はついに幸運の日に出会った
この心臓の暴れる様を確かめてみてくれ
こんなことは今までなかったんだから

イキガデキナイナントカシテクレ！

信じてくれますよね、あなた
どうか私の言うことを信じてください
彼らは真実を告げている･･･すべてが思ってもみないことだった
彼らは私の手を取って　中に迎え入れてくれた
そこで私は何かを見せられた
どこから説明すればいいかわからない・・・・

ベッドにくくられ
両足は冷たく　目は充血
遠ざかる意識のなか
生きているのか　死んだのか
彼らが何を言ったか　思い出せない
ちくしょう　震えがとまらない！

私のような立場に置かれた者は押しつぶされてしまう
こんな重荷を一人で背負うことになるなんて
人類の終末のすべてを　細部にいたるまで読み　記憶し
書き記し　世界中に伝えるために生まれたという
だけど私は　ペンを忘れてしまった──
またベッドに毒づいている──ありふれた狂人のように

ベッドにくくられ
両足は冷たく　目は充血
遠ざかる意識のなか
生きているのか　死んだのか
サンキスト（日光に照らされた果実）
スーダフェッド（充血緩和剤）
回転儀　赤外線
救出不能　脳死状態
彼らが言ったことを思い出せない
ちくしょう！　だいなしだ！

☆☆☆☆☆☆☆！！！
なんて言ったか思い出せない
なんて言ったか思い出せない
☆☆☆☆☆☆☆！！！
英雄になるんだと──
彼らが言ったことが思い出せない

わからない　わからない
わからない　わからない
わからない　わからない
わからない　わからない
わからない　わからない
わからない　わからない
   ちくしょう！　もうだめだ！